20代が仮想通貨投資をする前に知っておくべきこと
20代から仮想通貨投資なのか
20代からの資産形成において、仮想通貨投資が注目を集めている理由は明確です。
若いうちからの投資開始は、時間の味方につけることができます。
仮想通貨市場は比較的新しい市場であり、従来の金融資産と比べて高いリターンの可能性を
秘めています。
20代は、失敗しても立て直しが効く時期であり、リスクを取れる年代といえます。
給与所得も今後上昇していく見込みがあるため、少額からでも始められる仮想通貨投資は、
若年層の投資デビューに適しています。
特に、インターネットやデジタル技術に慣れ親しんだ世代であり、新しい金融技術への適応力も
高いと言えます。
また、従来の金融商品と比べて、仮想通貨は若い世代にとって理解しやすい面があります。
ブロックチェーン技術や分散型金融(DeFi)といった概念は、デジタルネイティブ世代には
直感的に受け入れやすいものです。
通貨投資のメリットとデメリット
【メリット】
・24時間365日取引可能
・少額から始められる
・値上がり益の可能性が高い
・取引開始の手続きが比較的簡単
・海外送金などの実用的な使用場面がある
・インフレヘッジとしての機能
・従来の金融システムに依存しない分散型システム
・国際的な決済手段としての将来性
実際に、2020年以降の仮想通貨市場では、主要な仮想通貨が大きく価値を上げています。
ビットコインを例にとると、2020年初めには100万円程度だった価格が、2021年には700万円を
超える場面もありました。
この急激な価格上昇は、機関投資家の参入や、世界的な金融緩和政策による影響も考えられます。
また、イーサリアムやその他のアルトコインも、独自の技術革新や用途開発により、
大きな価値上昇を見せています。
特にDeFiやNFT(非代替性トークン)の発展により、仮想通貨の実用性は着実に広がっています。
【デメリット】
・価格変動が大きい
・法規制の変更リスク
・セキュリティリスク
・詐欺や風説の流布が多い
・取引所の破綻リスク
・技術的な理解が必要
・税制上の取り扱いが複雑
・ハッキングや不正アクセスの危険性
2022年のFTX破綻は、これらのリスクが現実のものであることを示す代表的な例です。
大手取引所の破綻により、多くの投資家が損失を被り、仮想通貨市場全体に大きな影響を
及ぼしました。
また、各国の規制強化の動きも無視できません。中国による仮想通貨取引の規制や、
アメリカのSECによる規制強化など、法規制の変更が市場に与える影響は大きくなっています。
投資前に整理すべき自己資金と生活設計
仮想通貨投資を始める前に、以下の財務基盤を整えることが重要です:
1. 生活費の確保
最低3ヶ月分の生活費を普通預金として確保することが必要です。
これには以下の項目が含まれます:
・固定費(家賃、光熱費、通信費)
・変動費(食費、交通費、交際費)
・保険料や税金などの定期的な支払い
・予期せぬ出費に対する予備費
特に20代の場合、収入が不安定な場合も多いため、できれば6ヶ月分程度の生活費を確保することが望ましいでしょう。
投資可能額の設定
月収の10%程度を投資に回すことを目安とします。これは以下の要素を考慮して決定します:
・手取り収入の総額
・毎月の固定支出
・将来の支出予定
・現在の貯蓄状況
・その他の投資状況
また、ボーナスなどの臨時収入については、その20%までを投資に充てることを推奨します。
ただし、これらはあくまでも生活に支障のない範囲での設定が前提です。
将来の支出計画
結婚、マイホーム購入などの大型支出の見込みを立てます。20代で考慮すべき主な項目には:
・結婚資金(平均300-500万円)
・住宅購入の頭金(2000-3000万円の10-20%)
・車の購入費用(200-300万円)
・留学や資格取得の費用
・老後の準備資金
これらの将来的な支出に向けた貯蓄計画と、投資計画を両立させることが重要です。
絶対に避けたい借金投資の罠
借金して投資することの危険性は、具体的に以下のようなケースで表れます:
消費者金融からの借入での投資では、以下のリスクが存在します:
・元本保証がないうえに金利負担で損失が拡大
・返済が滞ると信用情報に傷がつく
・将来的な借入にも影響が及ぶ
・給与差し押えなどの法的措置のリスク
・自己破産に追い込まれる可能性
過去には、消費者金融から借り入れて投資し、市場の暴落で返済不能に陥るケースが多く報告されています。
クレジットカードのキャッシングでの投資も危険です:
・年利15%以上の高金利負担
・返済が追い付かず債務が膨らむリスク
・カード利用限度額全体への影響
・リボ払いによる長期の債務負担
・他の生活必需品の購入に支障
投資用ローンでの投資では:
・担保設定により他の借入が制限
・市場の急激な変動時の強制決済リスク
・返済計画が立てにくい
・金利上昇リスク
・担保価値の下落リスク
特に若い世代は、将来の可能性を信じて過剰な借入を行いがちです。
しかし、仮想通貨市場の急激な価格変動を考えると、借金投資は決して選択すべきではありません。
投資を始める前の心構えとして重要なのは、以下の3点です:
1. 投資は自己資金の範囲内で
・無理のない資金計画を立てる
・借入金での投資は絶対に避ける
・余裕資金での運用を心がける
・収入に応じた投資額の設定
・定期的な投資計画の見直し
2. 損失を受け入れられる金額のみを投資
・最悪のケースを想定する
・生活に影響が出ない額での投資
・リスク許容度の見極め
・分散投資の考慮
・ポートフォリオ管理の重要性
3. 長期的な視点で投資を考える
・短期的な価格変動に一喜一憂しない
・定期的な投資計画の策定
・市場動向の冷静な分析
・投資教育の継続
・情報収集の習慣化
以上の基礎知識をしっかりと理解した上で、実践的な投資の準備に入ることをお勧めします。
特に20代の投資家は、時間という大きな味方があることを活かし、焦らず着実に資産形成を
進めていくことが重要です。
次回は「2. 20代向け仮想通貨投資の始め方」について、具体的な取引所の選び方や
実際の購入方法を解説していきます。
取引所の選定基準、口座開設の手順、セキュリティ対策など、実践的な内容を詳しく解説する予定
です。
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